私がデザインしたハンドミルは、ハンドプレーンのバンブーロッドを制作する方法としてまったく斬新なものです。そのシンプルさにより、ビギナーでも熟練したバンブーロッド・ビルダーのようにバンブーを削ることができます。ハンドミルは、カッターを取り付けたハンドプレーンと、バンブーストリップを固定する可動式ベッドという2つの工具のセットを指します。プレーンは、ベッドに乗せたバンブーストリップの上を、常に理想的に動いてカットを行います。

 ハンドミルはバンブーストリップの両面を同時にカットしますが、その際には適切なベベル角が常に維持されます。テーパーは、べっどからバンブーストリップをどれだけ押し上げるかによって決定されます。この生産性の高い工具は、伝統的なハンドプレーニング法に比較して、はるかに短時間でバンブーを削り出します。ほかのプレーンは、他のハンドプレーニング法では難しい荒削りのベベリング作業も簡単です。

 標準のハンドミルセットは2ピースなら9フィートまで、3ピースならさらに長いロッドを製造することができます。ベッドアセンブリは72インチ3/4です。バンブーを削るときは、ベッドの左右に少なくとも45cmほどの余裕を持つべきです。

 プレーンは、トム・モーガン・ハンドミル専用の特注品。調整用スクリュ、カッターホルダ、可変式スライドは工作鋼からの削り出し。ハイト調整は0.002インチ目盛りのダイアルで行います。入念に調整すれば、0.001インチ(0.025mm)の垂直精度を達成することが可能。プレーニング作業を容易にするため、レギュラープレーン用ハンドルが付属しています。

 ハンドミルに使用するカッターは、耐久性に優れたカーバイド製で交換可能。カッティングエッジは3面あります。このカッターはバンブーだけに接触しますので、羽持ちは良く、研ぐ必要はありません。カッター3面がすべて鈍くなってきたと感じられたら、容易に交換が可能。カッターはさまざまな業者から安価に入手できます。私の経験では、カッター1セットで3〜5本のバンブーロッドが無理なく製作できます。

 カッターヘッドの交換は容易で、それにより8角、6角、5角、あるいは4角のロッドを自由に製造できるようになります。標準カッターは伝統的な6角用です。この多用途性により、多くの人に5角や4角のロッドを作る道が開かれました。アクセサリのページもご参照下さい。

 普通、バンブーロッドを製作する際、6ストリップのロッドなら、各ストリップの中心角は60度になるように削ると言われますが、私の経験では若干大きな角度にしておくと、表面にグルーラインが出ることなく、接着力も維持されます。各ストリップの内角を60度よりすこし大きく設定しても、接着面積は損なわれず、強度も変わりません。

 私が提供する8ストリップ用の標準カッターヘッドは46度、6ストリップは61.5度、5ストリップは73.5度、4ストリップは92度です。しかし、伝統的な60度カットにこだわられる方のために、60度カッターも準備しています。現在72度あるいは90度カッターの需要はあまりないようなので、生産はしていません。右の6ストリップロッドの断面写真は、61.5度の標準カッターで削ったロッドです。

 可変式ベッドとベースは圧延鋼製で、滑らかなクロムメッキがかけられています。可変式ベッドは、ハンドプレーニングの標準といえる5インチおきに、調整用スクリュが配置されています。このスクリュはプッシュ/プル式となっており、扱いやすいものです。トラベルが1インチで0.001インチ精度のダイヤルゲージが付属していますので、正確なベッド調整が可能。テーパーを調整するのも単純で簡単な作業です。

 ハンドミルには、ティップ仕上げ用アンビルが2本、バット仕上げ用アンビルが1本付属しています。ティップアンビルが2本あるのは、繊細なティップと通常の太さのティップの両方に対応するためです。また、下ごしらえにおけるベベリング作業用のアンビルも、ティップ用とバット用の各1本が付属しています。アンビルはプラスチックを削りだした物で、その上面にバンブーストリップを乗せてカットを行います。アンビルの交換は簡単。テーパーのセットはアンビル自体ではなく、ベッドを上下させることによって行いますから、アンビルがカットされることはなく、半永久的な耐用年数を持ちます。

 ハンドミルはバンブーの目にそって動かし、カットを行います。バンブーのストリップはアンビルにねじ止めしておきます。ハンドミルは安定した精度のストリップをいくつも作成できますので、接着後の精度もきわめて高くなります。ロッドのテーパーやパターンを複製することも簡単です。

 私がハンドミルをデザインしている段階で、とくに繊細なティップをカットする際に、左右にぶれる傾向があることに気づいていました。このバイブレーションは、だいたいはプレーンを動かす速度に関係しているようでした。もしバイブレーションが発生したら、ストリップには若干のくねりが生まれます。それを解消するため、私はカット中にストリップの暴れを防ぐプラスチック製のティップフィンガーをデザインしました。

 しかし、お客さまの何人かは、このフィンガーを使っても完全にバイブレーションを押さえ込むことはできない、とのことでした。また、別のユーザーは、切削中にストリップを押さえておくアタッチメントが欲しいと言ってきました。そんなアタッチメントは、とくに切削角度の小さい4角ロッドを作る際に役立つのではないかと言うのです。

 このフィードバックを基に、私はホールドダウン・シューをデザインしました。いったんストリップに角度がつけば、あとの削り込み作業においてストリップはしっかりと押さえられ、バイブレーションは生まれません。これはボディ、ピボットアーム、シューの3つの部品から構成されています。すべて303SEステンレス製で、耐食性に富み長寿命です。カッター前に付くメインブロックの厚みは0.24インチ。カッターヘッド前面にあけられたねじ穴で取り付けます。カッター前面は完全にフラットで、ホールドダウン・シューとヘッドの間にはいっさい隙間がありませんから、切削かすもたまりません。

 ピボットアームはバネ式になっており、じゅうぶんな力でシューの中心にストリップを押しつけます。アームの前面にはスロットが2つあり、そこにシューを取り付けます。第1のスロットはカッターから1.8インチ、第2は1.4インチの位置です。どちらを使うかは使用者の好みです。ピボットアームに刻まれたスロットには左右に余裕がありますので、シューはカッターに対してセンタリング調整できるようになっています。

 ホールドダウン・シューには、6角、5角、4角用に61.5度、73.5度、91.5度の種類があります。ごく繊細なティップも押さえられるように設計されたこのシューは、正面が面取してありますので、バンブーの繊維にひっかかってしまうこともありません。シューはカッターの前にありますから、最終の仕上げ削りでシューが干渉してしまうことがありません。

 シューを装着し、センタリング調整を行った後は、頭を使うことはありません。ベッドの上にプレーンを乗せると、シューは自動的にストリップの真上に来ます。

 このホールドダウン・シューは、オリジナルのプラスチック製ティップフィンガーに比較して大きな進歩となっています。すべてのハンドミルにこれを装着することをお勧めしていますし、将来は標準キットの中に入れる予定です。交換用カッターヘッドを発送する際には、それに対応したシューを同梱しています。

 モーガン・バンブー・ハンドミルには、写真を多用した、明快でわかりやすい解説書が付いています。解説書にはまた、ロッドサイズを決定する際に有効な、ストリップ断面の高さと幅の変換チャートが付録として付いています。またロッドテーパーのサンプルチャートも添付されていますので、まずはそれをコピーしてベッドをセットし、使うこともできます。バンブーロッド・メイキングの諸側面に関するアドバイスも収録。ハンドミルは標準装備として、6ストリップのロッドをカットできるすべての工具がセットされていますが、その他のセッティングも可能です。その際はカッターの刃角を指定してください。

アルミ製アングル
ハンドミル・ユーザーのジョン・ミラーは、作業ベンチにハンドミルを固定するための重要な付属具をデザインしました。彼は、まずベンチにこのアングルを固定し、その上にハンドミルのベースを乗せるのです。このアングルはアンビルのホールドダウン・スクリュに届くように穴があけられ、また調整用スクリュを動かすためのスロットも切ってあります。

 このアルミ製アングルにハンドミルを乗せる利点は2つあります。まず、もっとも重要なことは、セッティングとカッティングにおける精度が向上すること。アルミ製アングルとハンドミルのベースはボルトで連結されますので、ハンドミルの精度はテーブルの表面の影響を受けなくなります。テーパーはまさに設定されたままで保持されます。

 次に、テーパーを設定してアンビルを外すとき、ベンチからハンドミルのベースを取り外す必要がなくなります。テーパーをセットして、カッティングの際にアンビルを変更することがとても容易になりました。

 ハンドミルをこのアルミ製アングルに乗せて固定するという考え方はすばらしいもので、将来はハンドミルの標準パーツとしてセットで販売することにしました。現在の定価はアングル込みの値段です。

スエルドバット・キット
ハンドミルは、伝統的なスエルドバットを製作できるキットが標準で付属しています。このキットは、精密に加工されたワッシャ4枚と、使用説明書から構成されます。このキットを使えば、0.020インチから0.122インチまでの高さのスエルドバットが、最長2.5インチの長さで、0.020インチ刻みで製作できます。このキットは、現在ハンドミルの標準キットに含まれています。

ホロー・フルーティング・ツール
1930年代、R.L. ウインストン社のルー・ストーナーは、ホロー・フルーテッドのバンブーロッド構造を考え、特許を取得しました。ストーナーが考えたのは、ロッドの中心部をくり抜けば、重量は大幅に軽減し、パフォーマンスは向上するだろう、ということ。彼の考え方は、キャスティングロッドとフライロッドの両方で、正しいと証明されました。フルーティングに使用されるカッターは、接着面の面積は確保しながら、中心部の肉を抜く構造でした。

 ホロー・フルーテッドのバンブーロッドを切ってみると、その断面は花のようになっています。写真のロッドの径は約0.3インチで、左から先端半径が1/32インチ、3/64インチ、1/16インチのカッターでくりぬいたものです。重量軽減の度合いは、ロッドのサイズと残された壁厚によって変動しますが、10%から25%の間が普通です。

 ロッドがホロー・フルーテッド加工されると、重量は軽くなりますが、それと同時に繊維も除去しますので、硬さも若干は失われます。ロッドのセクションを2〜5%程度太くすることで、これを補ってやる必要があるのです。皆さんが使う個々のテーパーで実験を行ってみれば、フルーティング加工/硬さの関係が分かるようになるでしょう。

 かつてのロッドよりも、現在のバンブーロッドははるかにライトライン寄りですが、それでもフルテッド・ホロー構造を採用する利点は大きいと私は考えます。私はハンドミル本体の開発以来、フルーテッドホロー加工を行うアタッチメントを提供したいと考えてきました。適切なデザインを行えば、その製作は可能だと信じていたのです。カーバイド製のホロー用インサートが正確にストリップの中心に当たるためには、インサートとローラーの間の横方向の誤差は限りなくゼロに近くなければなりません。ホロー加工用のベース、プランジャーブロック、ローラー、そしてインサート・ポケットを超精密に製作することは困難でしたが、それは実現することができました。その結果、ホロー用のカーバイド・インサートは、つねにストリップの中心にきっちりと乗ります。

 このホロー加工用アタッチメントは、湿潤な気候でも錆びないようにしたいと思いました。ホロー・フルーティング・カッターのベースとブロックはアルミ製で、透明なアノダイズ処理を施され、耐久性を高めています。アルミ製ブロックはブロンズ製のブッシングが圧入されており、それによってステンレスのロッドとガイドホイールが導かれます。これにより、プランジャーを受けるための安定して腐食しない表面が生まれました。ローラーはステンレス製で、6角用は64度、5角用は76度、4角用は94度の内角を与えられています。比較的大きめの角度を与えられていますので、ホロー加工の際にローラーがバンブーのストリップに乗らないように工夫されています。ローラーはショルダーボルトによって保持され、交換は容易です。

 ホロー・フルーティング・カッターはチップのクリアランスを確保するために11度のレーキ角を持った6枚のカーバイド・インサートが付属しています。1/32"、3/64"、そして1/16"のチップ半径を持つインサートが各2枚です。このインサートは精密研磨加工されたもので、1つのポケットサイズにすべて装着可能になっています。大まかにいえば、1/32"と3/64"のチップはロッドのティップもしくは細めのバット用、1/16"チップは太めのバット用と考えてください。各インサートの仕様は、使用説明書に掲載されています。

 ホロー加工は、それぞれのバンブーストリップを仕上げカットした後に行います。このインサートを使って作成できるホロー可能は多様なもので、くり抜く径、壁厚、そして内部テーパーを変えることができます。いろいろなインサートを使って、自分のロッドにマッチしたものを探してみてください。私の経験から言えば、トラウト用では壁厚0.07インチ、サーモン用では0.085インチというところが標準的と考えます。もちろん、これより壁の薄いティップを作ることもできるでしょう。まずは、均一な壁厚のホロー加工をマスターしてから、テーパーホロー加工に取り組むことをお勧めします。

 フェルールの上下は、ホロー加工をしないほうがよいと思います。ソリッドのバットを接着するときには、どちらから接着を開始するかは問題ではありません、しかし、ホロー加工したバットはソリッドの先端部分からバインディングを始めないと、作業が難しくなりますし、ねじれが出てしまう傾向にあります。

 ホロー・フルーティング・ツールには、マイクロメーターにつけて使用するチップが付属しています。これにより、ホロー加工した壁面の厚さを測定することができます。このアタッチメントは0.5インチの高さを持ち、先端は1/32"の半径で、バンブーストリップのくり抜いた内側に差し入れて測定を行います。

 ホロー・フルーティング・ツールは、カッターヘッドの替わりにハンドミルに装着します。固定は2本の平頭ねじで行います。

 ホロー・フルーティング・ツールが適切に機能するためには、スエルドバット・キット用のシムを転用します。もしキットを持っていない場合は、ご注文をお願いします。ホロー・フルーティング・ツールには、写真を多用した使用説明書が含まれています。

アルミ製メジャリングブロック
バンブーストリップをカットする際に難しいのは、その測定です。ハンドミルは、カッターヘッドが若干大きめの内角を削り出すように設計されていますので、グルーラインは出にくく、接着面積も大きく取られています。ハンドミルには、ストリップの幅をストリップの高さに変換する表を添付していますが、それは6ストリップ専用となっています。さらに、マイクロメーターを使っても、安定した測定結果を出すのはとても難しい作業です。

 この問題を解決するため、私はハンドミルの最も多用されるカッターヘッド用に、メジャリングブロックをデザインしました。この方法を使うと測定がとても正確になります。これを使用すると、ストリップのどの位置においても、正確な高さを測定することが可能になります。

 このブロックはキャリパーにブラス製のねじで装着して使います。6061 T6アルミ合金製で、黒のアノダイズをかけてあり、3つの溝には角度表示がしてあります。これにはカリブレーション用に0.1"ドリルが添付してあり、また写真つきの使用説明書も同梱してあります。

ハンドミル・リストサーバ
 
ハンドミルのオーナー達のために、私はリストサーバーを立ち上げました。サーバーに送られたeメールは、リストに名前が載っている全員に配信されます。さらに、全メールはアーカイブされ、トピック別に検索できるようになっています。

 このリストはハンドミルの使用アイディアを広め、問題を解決し、質問を行い、ロッドビルディングの秘訣やテーパー、その他の情報を共有するために活用されています。

 これは、私がハンドミルのオーナー達のために管理しているプライベートなサーバです。ハンドミルのオーナーならだれでも参加することができますが、オーナーでない人はお断りしています。しかし、メッセージを読むことは誰にでもできます。

以下のURL経由でリストサーバにアクセスすることができます。

http://email.sparklist.com/scripts/lyris.pl?enter=morgan_hand_mill

 このURLは、メインページに飛びます。そこには3つのボタンが表示されています。サーバーに入るためのもの、サーバーに登録するためのもの、閲覧だけを行うものの3つです。

 閲覧専用ボタン(一番下のボタンです)を押すと、別のページに飛びます。そこには閲覧用ボタンが現れますので、それを押すとアーカイブのページに飛ぶことが出来ます。そこでは、トピック別に配列されたメッセージを検索したり、メッセージを読むことができます。ぜひリストサーバに行き、オーナー達が交わしたメッセージを読んでみてください。

 ユーザの中には、他のユーザから相談を受けることを承認した人もいます。彼らに連絡を取りたい場合は、私にメールを頂けば、名前とメールアドレスをお教えします。

 ハンドミルの使用法に関して質問がある場合は、私に連絡を下さい。電話や手紙も受け付けていますが、メールがもっとも便利です。アドレスは、このページの下に出ています。

 私は、ハンドミルの将来に大きな期待を抱いています。私がウインストンを1973年に買収したとき、バンブーはグラファイトに押され、その人気を失いつつありました。そして現在、バンブーロッドとバンブーロッドメイキングの人気が再燃してきたことは、私にとって喜ばしいことです。モーガン・ハンドミルは、アマチュアとプロを問わず、バンブーロッドの作り方に革新をもたらします。容易にストリップを削り出せるこのハンドミルは、バンブーロッドメイキングにおける障壁を取り除きました。

トム・モーガン

Contact Logo Contact



Copyright &Tom Morgan Rodsmiths 2003


Home
Company
Toms Design
Bamboo
Graphite
Appointments
Reels
HandMill
Prices
Order
Articles
Links